ゴルフ上達のために長年愛され続けているベストセラー『モダン・ゴルフ』を読んでみました。
この本は単なる技術書ではなくベン・ホーガンが持っていたゴルフへの情熱や当時のゴルフ理論がどのように伝えられたのかを知ることができる一冊です。
今回は技術的な要素に深く踏み込まず歴史的な観点からレビューをしていきたいと思います。
ベストセラーの背景と意義
1957年に刊行された『FiveRessons』(=のちのモダンゴルフ)は当時のゴルフ理論を丁寧に解説した書籍で多くのゴルファーに影響を与えました。
技術的な要素が豊富に記されていますが時代と共に技術が変化することを考えるとこの本の本質的な価値はゴルフ理論そのものというよりもそれをどう伝えどう理解するかという部分にあるのではないでしょうか。
ホーガンの目指した「完璧なスウィング理論」は映像や写真が簡単に使用できなかった時代にイラストや図解で熱心に伝えられています。
その点に注目して読むとこの本が単なる技術書にとどまらないことが感じられるでしょう。
ベン・ホーガンの生涯とゴルフへの情熱
彼は1912年にテキサス州ダブリンの田舎町に生まれ幼い頃から多くの苦労を経験しています。
『モダン・ゴルフ』を語る上でベン・ホーガンの人生を知ることは不可欠です。
10歳の時に父親を自殺で亡くし家計を支えるためにキャディとして働き始めたホーガン。
その後も数々の困難を乗り越えゴルフ界の伝説的な存在となりました。
彼の人生経験はゴルフ理論にも強く影響を与えており技術だけでなく彼自身がゴルフにかける情熱や信念が本の隅々に込められています。
生年 | 1912年4月13日、テキサス州ダブリン |
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幼少期の苦労 | 父親を10歳で亡くし、キャディとして家計を支える |
ゴルフキャリア | キャディからプロゴルファーへ、数々の困難を克服 |
代表作 | 『FiveRessons』(=のちのモダンゴルフ) |
彼の人生の苦難と成功を知ることでゴルフに対するひたむきさや探求心がさらに感慨深く感じられることでしょう。
構成
技術内容 | 説明 |
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Lesson 1: グリップ | クラブをどう握るか握り方の基礎が説明されています。 |
Lesson 2: スタンスとアドレスの姿勢 | 正しい構え方や体重配分が詳細に解説されています。 |
Lesson 3: スウィングの前半 | バックスウィングのメカニズムについて述べられています。 |
Lesson 4: スウィングの後半 | フォロースルーとフィニッシュまでの動きに焦点を当てています。 |
Lesson 5: まとめと復習 | これまでのレッスンを振り返り、最終的な技術の確認をします。 |
『モダン・ゴルフ』の特筆すべき魅力
この本の最大の魅力は当時の限られたリソースの中でホーガンがどれだけゴルフを真剣に追求していたかを知ることができる点です。
ホーガン自身ゴルフを科学のように捉え何度も繰り返し練習と研究を重ねた末に到達した理論を可能な限り読者に伝えようとしています。
この本が示すゴルフへの情熱や理論の探究心は決して色褪せることがありません。
技術書としての役割ではなく「歴史書」としての価値
ホーガンの『モダン・ゴルフ』は単なる技術書ではなく彼の人生や当時のゴルフ界の姿を描き出す一種の「歴史書」としての側面があります。
特に当時のゴルフ理論がどのように発展してきたかを知ることができる点で現代に生きる私たちにも大きな示唆を与えます。
ホーガンがイラストで細かく解説している技術は映像や写真が普及する前の時代にあって非常に貴重な情報提供手段でした。
当時の技術をどうやって読者に伝えるか彼の熱意や試行錯誤が感じられます。
まとめ
本の一部でも伝えていますがゴルフの技術は医学の進歩と似た面があり時代によって最善とされた方法が後に改良されたり逆に見直されたりすることがよくあります。
そのためこの本を現代の技術書として読むのではなくゴルフの歴史やその進化を学ぶという視点で読むことで楽しむことができました。
ベン・ホーガンの『モダン・ゴルフ』は技術書としてだけでなくゴルフの歴史や彼自身の人生を感じることができる一冊です。
彼がゴルフ理論を広めるために費やした努力や工夫は当時の限られた情報技術の中で生み出されたもので今日でも感動を与えます。
ゴルフが好きであればあるほどこの本を読むことでゴルフの深い歴史とその背景にある人々の情熱を感じることができるでしょう。
技術の進化が常に続く中でもゴルフ愛好家なら歴史を感じながら彼の情熱に触れる体験は貴重かもしれません。
今の時代たくさんな理論や映像画像でゴルフを探求することが可能となりました。
しかしベンホーガンのようなたくさんの偉人の方々が一生懸命考え研究しその一つ一つの積み重ねが現代に生きているのかな?と思うとよりこの本の意味意義を感じることができる。
そんな感想を持つ一冊でした。
項目 | 詳細 |
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出版社 | ベースボール・マガジン社 |
版 | ハンディ版 |
発売日 | 2006年11月10日 |
言語 | 日本語 |
書籍タイプ | 単行本(ソフトカバー) |
ページ数 | 144ページ |