テーラーメイド
ふとした会話から浮かび上がった「定説」
本日のゴルフラウンド中、初級の方とご一緒させていただいた際にこんな話が出ました。
「初心者のうちは、あまりいろんな人の話を聞かないほうがいい。最初は一人の先生を信じた方がいいよ」
この言葉、ゴルフを始めたばかりの頃に何度も耳にした記憶がございます。
確かによく語られるこのフレーズですが、改めて考えてみると、果たして本当にそれがベストなのでしょうか。
私自身、初心者の時期にこのアドバイスを真面目に受け止め、しばらくの間は一人のレッスンプロの指導に集中しておりました。
しかし経験を積むにつれて、この考え方にはメリットと同時に見落としがちな落とし穴もあるのではないかと感じております。
今回はその「定説」について、自分なりの考えと経験をもとに、ゴルフ初心者の方に寄り添いながら考察してみました。
なぜ「一人の先生を信じる」が推奨されるのか
ポチップ
まず、このアドバイスがなぜ存在しているのかを冷静に見てみます。
推奨される理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 混乱を防ぐため | ゴルフはフォームや意識する点が非常に多く、複数の指導が混ざると混乱しやすいため |
| スイングの型を固めやすい | 一貫した指導によってフォームの癖が安定しやすい |
| 信頼関係を築きやすい | 一人のコーチとじっくり付き合うことで、継続的なフィードバックが得られる |
確かに、ゴルフのスイングは非常に繊細で、人それぞれ身体の使い方やクセが異なります。
一人の先生とじっくり取り組むことで、段階的なステップアップがしやすいというのは理解できるポイントでございます。
やはり混乱を避けるため。
このあたりが本質のような気がしてきました。
一方で見落とされがちなリスク
しかし、同じアドバイスでも状況や人によっては逆効果になることもございます。
気をつけたい点
- レッスンの内容が合わない場合もある
相性の問題はやはり大きく、教え方や考え方に違和感があるまま続けてしまうと、かえって遠回りになることもございます。 - 固定観念に縛られるリスク
「こうすべき」という指導が強すぎると、自分で考える力が育ちにくくなる可能性もあるように感じております。 - 複数視点の良さが活かせない
ゴルフには複数の正解が存在します。一人の先生のスタイルがすべてではなく、他の視点を知ることで発見が生まれることもあります。
このように、必ずしも「一人の指導が正義」とは限らないということも、ぜひ知っておいていただきたいと感じました。
私自身の経験から学んだこと
私自身は、初心者の時期に一人の先生の元でしばらく学び、その後さまざまな方のアドバイスやレッスンを受ける機会がございました。
結果的には、それぞれの時期に「必要なものを吸収できた」と感じております。
実際に感じたこと
- 最初は一人の先生でも良い
最初は基礎を安定させるために、一貫性のある指導が非常に効果的でした。 - 中級以降は多視点の方が成長できた
ある程度打てるようになってからは、違う考え方やレッスンを試すことで「自分に合うスタイル」が見えてきました。 - 最終的には「自分が選ぶ力」が必要
他人任せではなく、アドバイスをどう咀嚼し、どれを採用するかを自分で決める段階がくるのだと実感しております。
初心者の方に伝えたい、やさしい視点
最後に、これからゴルフを始める方や現在習っている最中の方へ、私から心からお伝えしたいことがございます。
最初は一人の先生を信じる。それも一つの手。
けれど、それが絶対ではありません。
まずはご自身が「この人に教わりたい」と思える先生に出会えたなら、じっくりと付き合ってみるのもよい選択でございます。
ただ、もしも違和感を感じたり、伸び悩みを感じたら、他の視点を受け入れてみる柔軟さも大切です。
ゴルフは「一生勉強」と言われるほど奥深く、正解が一つではありません。
【補足の視点】「信じる」ことと「柔軟に構える」ことの両立
もちろん、一人のレッスンに集中して練習されるのが合っている方もいらっしゃるかと存じます。
先生との相性やその方の教え方に納得されており、ご自身のペースで上達されている場合には、その選択は十分に理にかなっているものだと思われます。
今回のお話は、あくまで一つの考え方として、参考程度にしていただけましたら幸いでございます。
一方で、私個人としては、最初の段階であえて多くの情報に触れてみるというのも、有意義な方法ではないかと感じております。
もちろん、情報が多すぎて混乱してしまうという側面も否定はできません。
しかしながら、いろいろな解釈に触れることで、「自分にとっての違和感」や「納得できる感覚」というものが、少しずつ明確になってくるのではないかと考えるのです。
最も気をつけたいのは、誤った理解をしたまま練習を繰り返し、結果として強固な癖として身についてしまうことです。
たとえばスイングの方向や重心のかけ方など、初期段階では自分自身では正しいと思っている動作が、実は大きくずれている場合もございます。
そしてそのずれに気づかぬまま、数ヶ月・数年と積み重ねてしまうと、修正にはさらに多くの時間と努力が必要になってしまいます。
そのようなリスクを防ぐためにも、「今の自分の理解が100％正しいとは限らないかもしれない」という、ほんの少しの“余白”を心に残しておくことが大切だと思います。
たとえるならば、心の片隅に15％くらいの「保留領域」を持っておくイメージでございます。
この領域をもっていると、別のアドバイスを受けたときや、プレー中に違和感を覚えたときに、「あれ？これは何かが違うかもしれない」と自ら気づく余地が生まれます。
この柔軟な姿勢は、決して自分を疑うということではなく、むしろ自分の成長を促すための「構え」として、とても重要なものではないでしょうか。
ゴルフに限らず、どのような学びにも通じることかと存じますが、「信じる」ことと「立ち止まって見直す」ことは、相反する行動ではなく、共存できる姿勢でございます。
初心者の方も、経験者の方も、ご自身の進み方を振り返りながら、長く楽しくゴルフに取り組んでいくことが本当の目標なのかもしれません。
【まとめ】アドバイスに縛られすぎず、ゴルフを楽しんでください
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 一人のレッスンを信じる価値 | 初心者時代には一貫性を保つ意味で効果的 |
| 視野を広げる大切さ | 成長段階に応じて他者の視点も参考にすることで、より自分に合うスタイルに出会える可能性が高まる |
| 自分の感覚を信じること | アドバイスはあくまでヒント。決めるのは「自分」だという意識を持つことが大切 |
肩の力を抜いて、自分らしく、そして何より楽しく続けられるゴルフライフになりますように。
ポチップ
打ち出し指示器
アイアンのフェース面に取り付けることで、スイング中のフェースの向きを視覚的に確認できる練習器具です。
フルスイングやボールを打つことはできませんが、アドレスやテイクバック時のフェースのズレを把握するのに非常に役立ちます。
最大10cmまで伸縮可能で、使用時は見やすく、未使用時はコンパクトに収納できます。
※非磁性クラブには使用できません。素材はポリカーボネート、ステンレス、ネオジム磁石です。
